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サイ トゥオンブリー:紙の作品、50年の軌跡

会期:2015年5月23日[土]- 8月30日[日]

20世紀を代表するアーティストの一人サイ トゥオンブリー(1928-2011)の、日本の美術館としては初の個展を開催いたします。《描画された詩》とでも形容すべき絵画で知られるトゥオンブリーは、高松宮殿下記念世界文化賞(1996)やヴェニス ビエンナーレ金獅子賞(2001)など、世界的に評価されています。本展はサイ トゥオンブリー財団の協力により、1953年から2002年までの紙の作品(ドローイング、モノタイプ)約70点を紹介するものです。
子供の落書きにも見える線の戯れのような作風は、内なるエネルギーを《手で描く》という身体的所作によって画面に炸裂させる即興性と激情性に満ちています。アメリカ生まれですが、1957年以降イタリアにも拠点を持つようになってからは、神話・歴史・文学作品にヒントを見出し、1980年代後半からは、色彩の面でも華やかさと激しさを強めて行きました。紙の作品には、カンヴァスの絵画にも増して、トゥオンブリーの速度、激情、直感がストレートに露出していると言えます。
本展は、2003年にロシアのエルミタージュ美術館で開催され、英米独仏に巡回した展覧会を再構成したものです。同展は、ジュリー シルヴェスター(現・サイ トゥオンブリー財団)が企画し、トゥオンブリー自身も作品の選定に関わりました。
また、別館ハラ ミュージアム アークの特別展示室「觀海庵」においても、本展出品作品の一部を展示いたします。詳細はサイト内のハラ ミュージアム アークのページで近日発表いたしますが、床の間と違い棚を備えた書院造を参照した展示空間(設計 磯崎新)の中で、通常「觀海庵」で展示する東洋の古美術作品(原六郎コレクション)と、トゥオンブリー作品を対置する形で展示いたします。「手で描く/書く」という表現行為に全精力を傾けるトゥオンブリーの作品が、また違った印象を生み出すかもしれません。東西の文化圏や近世と現代という時代の違いを超えた美の対話をご鑑賞いただけることでしょう。

主催

原美術館、Hara Museum Fund

特別助成

駐日アメリカ合衆国大使館

助成

テラ財団

企画協力

サイ トゥオンブリー財団