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展覧会情報
トロイメライ
会期:2025年7月12日(土)-2026年1月12日(月・祝)

【展覧会概要】
私たちは夢を見ます。夜ごと、あるいは街を歩きながら。
目に映る風景の色や、聞こえる音、触れているものの重さや温度などに普遍的な事実があったとしても、受け止め方は人それぞれ。嬉しいことがあれば世界が輝いて見え、悲しいことがあれば近くにいる人の声を遠くに感じることもあります。この気持ちと身体の相互作用は、今、確実に自身に起きていることではあるのに、夢をみているかのように曖昧で、とらえがたく、その実感を誰かと共有することも難しいものです。
夢とは眠るときにだけ見るものとは限りません。例えば美しい景色やメロディに心を奪われる瞬間や、小説、映画や舞台の物語に没入している時間に、あなた自身はどこにいるといえるでしょうか。デジタルの画面の中と、怪我をすれば痛みを感じる生身の身体の両方を行ったり来たりしている私たちにとって、いまや現実と架空を完全に切り離すことはナンセンスのようにも思えます。「現実(リアリティ)」とはどこかにあるものではなく、それぞれの実感=「たしかさ」をたどる行為そのもの。まるで一枚ずつ見えないヴェールをかいくぐりながら歩みを進めるように、私たちは常に、幾重にも折り重なった夢を現実に見ている状態だといえるのかもしれません。
時にアーティストは、不確かなイメージをとらえようと多様な表現を試みてきました。彼らが思い描き生み出した作品は、私たちに新しいヴィジョンを見せてくれます。そして美術館では、収蔵庫の中で静かに眠っている作品を呼び起こすのは学芸員の役割ですが、どのような「トロイメライ=夢見ごと」を立ち上げるのかは鑑賞者ひとりひとりにゆだねられます。希望、理想、幻想、無意識、眠り…。本展では、誰もが身近に感じながらもその多彩さゆえに謎めく「夢」、「夢を見ること」をキーワードに作品を紐解いてゆきます。
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「トロイメライ」とは・・・
ドイツ語の「トロイメライ」は日本語に訳すと「夢のような」、「夢見心地」という意味。ロマン派の作曲家 ロベルト シューマンによる同名の楽曲(小品集「子どもの情景」の7曲目)は、恋人から送られた手紙の中で「時々あなたは子どもに見えます」と書かれていた言葉を思い出し、その余韻の中で作曲されたという逸話が残っています。ゆっくり歩くような単調な繰り返しの中に、天から優しく降りそそぐ光や、願い、一瞬の戸惑い、そして憧れへ向かう躍動感をも感じさせるのが特徴です。
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【出品作家】
■現代美術ギャラリー
カレル アペル、アルマン、安藤正子、イケムラレイコ、フランチェスカ ウッドマン、大竹伸朗、ジュルツ オリツキー、加藤美佳、アンゼルム キーファー、フランチェスコ クレメンテ、坂田栄一郎、ヴィルヘルム サスナル、佐藤時啓、シンディ シャーマン、ピエール スーラージュ、ヘラルド スッテル、中里斉、名和晃平、奈良美智、藤本由紀夫、シグマー ポルケ、ジョナサン ボロフスキー、増田佳江、宮脇愛子、ロバート メイプルソープ、森村泰昌、やなぎみわ、ヤン ファーブル、横尾忠則、米田知子、ラスロ ラスナー、マーク ロスコ
■特別展示室 觀海庵(9月3日まで)
カール アンドレ、加藤泉、狩野永徳、狩野孝信、狩野長信、狩野探幽、崔在銀、杉本博司、須田悦弘、徐霖、戸谷成雄、野村仁
初展示:作者不詳《賢学法師絵詞(摸本)》(部分)江戸時代 紙本著色 一巻
■常設展示、屋外作品
草間彌生《ミラールーム(かぼちゃ)》、奈良美智《My Drawing Room》、宮島達男《時の連鎖》、束芋《真夜中の海》、鈴木康広《日本列島のベンチ》、森村泰昌《輪舞(双子)》、ソル ルウィット《不完全な立方体》、三島喜美代《Newspaper-84-E》、李禹煥《関係項》、アンディ ウォーホル《キャンベルズ トマト スープ》、オラファー エリアソン《Sunspace for Shibukawa》、ジャン=ミシェル オトニエル《Kokoro》など
「トロイメライ」展 出品リスト(PDF)
【展覧会関連ワークショップ】
榎本浩子「やわらかな時間」
日時:2025年9月~11月 会期中、複数回のイベントを予定しています
「やわらかな時間」は、ゆるやかな”植物観察”を行うワークショップです。日々の出来事を題材に、弱さや傷つきやすさとその修復をテーマとして制作・活動を行う、群馬県出身のアーティスト榎本浩子と原美術館ARCが協働で構想しました。彫刻作品が点在する美術館の庭の一角で、草花をただただ見つめ、少し変わった「植物日誌」に描き留める時間を過ごします。
「庭を見ているうちに植物を育てるようになりいつの間にか無気力な日々が過ぎ去っていった」と語る榎本。制作の下地となったその行為を疑似的に体験しながら、からだとこころの緊張をほぐしてみませんか。
榎本浩子 プロフィール
群馬県生まれ、現在同地を拠点に活動。女子美術大学大学院美術研究科修了。他者とのつながりや日々の出来事を題材に、弱さや
傷つきやすさとその修復をテーマに制作や活動を行なっている。主な活動歴に「庭の記憶/土地の修復」(Art&Garden ねこぜ、大分、
2023)、「クリテリオム99 榎本浩子」 (水戸芸術館現代美術ギャラリー、茨城、2022)、「ここの庭」(ゆいぽーと、新潟市芸術創造村・国
際青少年センター、2022)がある。
http://hirokoenomoto.com
*詳細については、決まり次第、当館ウェブサイト「イベント」ページにてお知らせいたします。
【会期中のイベント】
■夏休みワークショップ
①7月19日(土) ろうけつ染めでうちわをつくろう
講師:大竹夏紀(染色アーティスト) 参加費:2,500円
②7月20日(日)、21日(月・祝)折り染めでうちわをつくろう 参加費: 600円
申し込み・詳細はこちら
https://www.haramuseum.or.jp/jp/arc/event/1941/
■開架式収蔵庫ガイドツアー 8月2日(土) 11:00~(60分程度)
参加費:1,000円、5名
*通常はメンバーシップ会員限定イベントですが、一般の方も参加できます
■担当学芸員による作品解説 8月2日(土)14:00~(60分程度)
参加費:500円、10名 *メンバーシップ会員は無料
■屋外作品ガイドツアー 9月27日(土) 11:00~(60分程度)
参加費:500円、10名 *メンバーシップ会員は無料
■対話型作品鑑賞会 (協力:対話型アート鑑賞ラボ) 11月8日(土)11:00~(60分程度)
参加費:無料、10名
◆宮島達男「時の蘇生・柿の木プロジェクト」植樹20周年企画
2005年に当館の庭園に植樹された「被爆2世の柿」。今年20周年を迎えることを記念し、小企画を開催いたします。
時の蘇生 柿の木プロジェクトについて https://kakitreeproject.com/
◆学校の先生を対象とした鑑賞企画(無料見学・相談会)
7月21日(月・祝)から27日(日)の6日間 入館料・参加費 無料
* 24日(木)は休館日の為除外
* 要予約。遠足や校外学習など学校行事で当館の利用を検討している教職員を対象とします。事前に相談内容をメールにてお知らせください。
event@haramuseum.or.jp
申し込み・詳細はこちら
https://www.haramuseum.or.jp/jp/arc/event/1938/
*詳細については、決まり次第、当館ウェブサイト「イベント」ページにてお知らせいたします。







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*特別展示室「觀海庵」は会期中に展示替えがあります。
*プレスリリースはこちら
- 開館時間
9:30 am-4:30 pm(入館は4:00 pmまで)
- 休館日
木曜日(8月中無休)、*2026年1月13日から3月中旬まで冬季休館
- 入館料
一般1,800円、70歳以上1500円、大高生1,000円、小中生800円
*原美術館ARCメンバーシップ会員は無料、学期中の土曜日は群馬県内小中学生無料
*前売りオンラインチケット(日にち指定)を販売いたします。ページ上部にある緑色の「お得な前売りチケット」ボタンから購入ページをご覧ください。現在準備中です