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イベント情報

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温井大介による2つのワークショップ(宮島達男「時の蘇生 柿の木プロジェクト」原美術館ARC 植樹20周年記念イベント)

会期:ワークショップ1「壁にちりばめ柿に描き」
2025年10月18日ー2026年1月12日
ワークショップ2「かきかきにょい!」
2025年11月1日(土)、15日(土)、16日(日)

時間:イベント詳細をご参照ください

原美術館ARC 被爆柿の木2世

現代美術家 宮島達男氏による「時の蘇生 柿の木プロジェクト」の一環として、2005年に当館の庭園に植樹された「被爆柿の木2世」は今年20周年を迎えました。これを記念し、宮島達男氏による講演会と、群馬県在住のアーティスト温井大介氏による2種類のワークショップを開催いたします。

講演会「Meet the Artist: 宮島達男」については ▶こちら

温井大介によるワークショップ1「壁にちりばめ柿に描き」


日 時:2025年10月19日(日)~2026年1月12日(月・祝)10:00-16:30
場 所:原美術館ARC内 カフェ ダール
参加費:無料(入館料別)

折り紙で柿の実を折ったり、あらかじめ用意された柿の実や柿の葉をかたどったカードに平和へのメッセージを書き、壁に描かれた大きな柿の幹に自由に貼ってゆきます。タイトルは「氷に鏤め(ちりばめ)水に描く」という、氷に彫刻をしたり、水に絵を描くような「すぐに消えてしまうもの」をたとえる諺をもじった温井氏よる造語です。イベントや企画は一過性のものが多いのに対して、柿の木プロジェクトは世界中に広がり、人々の心に刻まれ続けます。本企画には来館者の方々の心を通し未来まで残り続けてほしいという祈りが込められています。
また、戦後の焦土の景色から時を経て、人々の願いが重なり、ひとつひとつ緑が増え、やがて大きな実りのある平和な風景が描き出される…。当館の柿の木を眺めながら、過去に思いを馳せ、現在、そして未来への移り変わりを想像することも目的です。

柿の実メッセージカード原画 🄫Daisuke Nukui


カフェ内観


温井大介によるワークショップ2「かきかきにょい!」


日 時:2025年11月1日(土)、15日(土)13:00-15:00、11月16日(日)10:00-12:00
場 所:原美術館ARC内 カフェ ダール
参加費:600円(入館料別・現金のみ)

「時の蘇生 柿の木プロジェクト」に関連して、消しゴムハンコを使ったワークショップを開催いたします。タイトルのもとになった「柿柿如意」は、中国語の「事事如意」(万事上手くいきますように!)という言葉と同じ発音の「柿」と「事」から生まれた縁起の良い言葉です。
はじめに、参加者はサイコロを振り、その出目によって「柿の種」、「柿の苗木」、「成長した大きな柿の木」、「柿の実」などを決めます(例えばサイコロの出目が1であれば「柿の種」、2であれば「柿の苗木」など)。スタンプの色もサイコロの出目によって決まります。温井氏のガイドのもと、参加者は木版画の多色刷りの原理でいくつかのモチーフを重ねたあと、そこに自身の姿を重ね合わせ、1枚に刷り上げます。単純な作業ながら、「種」といった過去の姿や、「青い実」ならば夏、「赤い実」ならば二週間後…というように、時間を巻き戻したり、未来への想像を膨らませながら制作を行うことになります。また、偶然に左右されるため出来上がりは誰も予想できず、参加者は思わず「上手くいきますように!」と願いを込めることでしょう。さながらうつろう時をとどめる写真のように、今日この日の「時の蘇生 柿の木プロジェクト」の思い出を1枚にし、お持ち帰りいただきます。未就学児から大人まで誰でも参加できる内容です。

温井大介
群馬県出身。2005東北芸術工科大学洋画コース卒業、2024京都芸術大学大学院通信教育課程洋画終了。卒業選抜賞(東北芸術工科大学)、IAG大賞2025(池袋アートギャザリング)他。教育機関に勤務する傍らアートプロジェクトの主催やサポートを行う。現在は「絵画が死なない理由」を研究テーマに、二層構図を用い、北方ルネサンスの画家ロヒールと群馬県の画家山口薫をテーマに作品を制作している。2008年から現在までグループ展「妙義エンナーレ!」を主催。主なグループ展に「山口薫先生からきみたちへ」(高崎市美術館、2018年)、「アートプロジェクト高崎」(高崎市、2020-2024年)、「長野市アートグループ展招聘(長野市芸術館、2025年)、「池袋回遊派展」(池袋自由学園講堂、2025年)、主な個展に「IAG大賞受賞記念展 温井大介個展 TUAD ART-Links」(池袋 B-gallary、2025年)、「魂をとじこめるまじない」(ya-gins前橋、2025年)がある。

被爆柿の木・2世の苗木

「時の蘇生 柿の木プロジェクト」とは
1945年8月9日、長崎で被爆しながらも奇跡的に生き残った一本の柿の木。半身は真っ黒に焼け焦げ、いつ倒れてもおかしくないほど衰弱していましたが、1994年より長崎に住む樹木医の海老沼正幸氏が治療をはじめ、やがて「被爆柿の木2世」の苗木を生み出すまでに回復しました。この活動に出会った現代美術家の宮島達男氏は、海老沼氏とともに苗木を世界中の子どもたちに手渡し、柿の木をテーマにアート表現をしながら育て平和と命の大切さを学ぶ「時の蘇生 柿の木プロジェクト」を開始。現在まで世界26カ国、320か所以上の幼稚園、学校、美術館、公園などに植樹されるほど活動の輪が広がっています。
アートには他者の痛みを想像する力、新しい世界を創造する力が宿っており、それは国や宗教、人種や言葉さえも乗り越え共感を与えるものです。その「柿の木プロジェクト」の趣旨に当館も賛同し、2005年この木の里親となりました。

*プレスリリースはこちら
お問合せ 原美術館ARC イベント担当
Tel: 0279-24-6585 E-mail: event@haramuseum.or.jp